
Mayaでオブジェクトを光らせる(発光させる)方法はいくつか存在しますが、ここではBlinnシェーダのグロー機能を使用した簡単でオーソドックスな手法を、できるだけシンプルにご紹介したいと思います。
この電球のフィラメント部分を発光させるのを目標に進めてみましょう。
レンダラーはmental ray(ファイナルギャザー)を使用しています。

グローの設定手順
はじめにハイパーシェードを開いてBlinnシェーダを作成し、光らせたいオブジェクト(ここではフィラメント)に割り当てます。
(ウインドウ > レンダリングエディタ > ハイパーシェード)

作成したシェーダをダブルクリックしてアトリビュートエディタを表示します。
今回は電球のオレンジ色の光を表現したいので、「カラー」をオレンジに変更しました。
「スペシャルエフェクト」の中にある「グローの強度」の数値を大きくします。
この数値を上げていくことでオブジェクトを発光させることができます。

試しに、スライドバーを右いっぱいにスライドさせて値を1に設定してレンダリングしてみました。

・・・発光しました!
が、光り方がとても小さくて弱いので、ここから調整を加えていきます。
グローの調整
「グローの強度」の初期状態のスライドバーは右いっぱいに動かしても最大で1までしか設定できませんが、数値を直接入力することで1以上の値を設定することができます。
光を強めるためにグローの強度を一気に10にまで上げてレンダリングしてみました。
光は強くなりましたが、それでも電球としては光り方が弱いようですね。。。

実は光りの強さはグローの強度だけでなく、オブジェクトの大きさにも左右されます。
今回はフィラメントが糸のように細いオブジェクトなので、グローも弱くなっている可能性がありました。
グローの強度はそのままで、フィラメント自体を太くして発光具合の変化を見てみましょう。

一気に光り方が大きく変化しました。
ちなみに、フィラメントの太さは2~3倍ほどにしました。
このように、グローの強さは発光するオブジェクトの大きさにも依存しています。
(グローの強度が0.1しかなくても、強過ぎる光になることもあります。)
あとは徐々にグローの強度の値を変更しながら、好みの光り具合を見つけるだけです。

さらにクオリティを上げるには?
Blinnのグローによる発光は手軽に作成できますが、あまり高度な設定やリアルな表現をするには向いていません。
例えば、電球の光による地面への照り返しなど、他のオブジェクトへの影響があまり表現されていませんね。。。
光をよりリアルにしたい場合はグローだけでなく、ライトを組み合わせて光を表現するのがシンプルで分かりやすいと思います。
さっそく、先ほどのフィラメントの位置にポイントライトを配置してみました。
●ポイントライトの設定
・ライトの強度はお好みで
・ライトのカラーはグローに合わせて黄色に設定
・電球付近だけを照らしたいので「減衰」を「二次」に設定
・パキッとしたエッジの影にならないように「ライトの半径」の値を増やす

これで地面への照り返しなども表現できました。
