【Maya】金属や鏡の質感をフォトリアルに仕上げる簡単な手順

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Mayaのマテリアル設定において、誰もが最初は手こずる金属や鏡といった質感の表現をなるべく簡単に作成したいと思います。


①レンダラー「mental ray」
②シェーダ「mia_material_x」
③環境マップ「mib_lookup_shperical」



今回はこれら①~③の要素を使用し、スプーンのオブジェクトにステンレスの質感を設定していきます。

Mayaのシーン内には、スプーンと地面用の板ポリ(プレーン)が1つ存在する状態から始めます。

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手順まとめ


・レンダラーをmental ray(ファイナルギャザー)に設定。

・ライトティングの設定・調整をする。

・スプーンに「mia_material_x」シェーダを割り当て、拡散カラーを黒に変更・反射率の値を上げる。

・「mia_material_x」のシェーディンググループから環境シェーダに「mib_lookup_spherical」を設定。

・「mib_lookup_spherical」に反射させたいテクスチャを設定

・レンダリングして確認と調整



作業手順をまとめるとこんな感じになります。


ここから先は、これらの手順をさらに噛み砕いて見ていきましょう。

なるべく詳しく解説したつもりなので文字数は多くなっているかもしれませんが、内容は慣れればとても簡単です。



まず最初に


①~③の要素を使用していく前に、まずはカメラの位置を決めて絵作りの準備を行います。

見る向きを変えながらレンダリングするのも悪いわけではありませんが、先にカメラの位置や角度(構図)を決めてしまう方が早く完成にたどり着けます。

特に今回のような鏡面は見る角度によって金属のハイライトや反射が変化するため、必ず「見栄えの良い角度」「見栄えの悪い角度」が生まれます。

どの角度から見ても良い見栄え!なんてことは難しいので、最初にレンダリング用カメラを作成して構図を固定しましょう。


<レンダリング用カメラの作成>

・作成メニューからカメラを追加する。
(作成 > カメラ > カメラ)

・操作ビューを作成したカメラに変更し、構図を決める。
(パネル > パースビュー > [作成したカメラ名])

「解像度ゲート」の表示をオンにしておくとレンダリング結果の構図がイメージしやすくなります。

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※構図決定後はカメラを選択し、チャンネルボックスから移動と回転にロックをかけておくと誤操作によるカメラの移動を防げます。
(移動と回転を選択し、右クリックメニューの「選択項目のロック」)



①レンダラー「mental ray」


mental rayはMayaでフォトリアルなものを作成する際によく使用されるレンダラーですが、今回はこちらを使ってレンダリングしたいと思います。


mental rayを使用するには、レンダー設定ウインドウを開き、「使用するレンダラ」の項目で「mental ray」を選択します。
(ウィンドウ > レンダリングエディタ > レンダー設定)


次に、「精度」タブの中にある「間接拡散(GI)モード」を「ファイナルギャザー」に変更します。

ファイナルギャザーを使用すると光の反射や拡散による計算をよりリアルに行うことができ、mental rayを使用するならファイナルギャザーもセットで使用されることが多いです。

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レンダラーの選択ができたので早速レンダリングしたいところですが、先にライトの設定を行います。



<ライトの設定>

質感を設定する前にしておきたいのがライティングです。

ライティングが不十分だと、いくら質感設定を頑張っても綺麗な仕上がりにはなりません。


ライティングは質感表現と深く関わりがありますが、先に質感やテクスチャを割り当ててしまうとそれらの要素によってライトの善し悪しが確認しづらくなってしまうため、デフォルトのマテリアル(lambert)を使用した状態でライトを調整するのがオススメです。

lambertを使用するので、レンダリングしてキレイな粘土製スプーンになっていればライティングOKということです。


今回は標準的なライティングで、3方向にライトを配置してみました。(三点照明)

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以下が使用したライトの内訳です。
(ライトの設定はオブジェクトサイズやライト位置によるので、あまり参考にならないかもしれませんが・・・。)

ディレクショナルライト1(メインのライト)
・強度:0.7
・シャドウ:レイトレースシャドウ(影の表現用)
・ライトの角度:7.0(影のエッジを柔らかくして室内の照明っぽくする)
 ⇒影がザラつく場合はシャドウレイ・レイ深度の最大値の値を上げる

ディレクショナルライト2
・強度:0.4
・シャドウ:不使用

ディレクショナルライト3
・強度:0.3
・シャドウ:不使用


室内という環境は天井の蛍光灯の数や壁にある窓の大きさ・数などがバラバラで決まりがないため、それっぽい雰囲気が出せれば十分です。

ライトが強すぎて必要以上に白飛びしてしまったり、逆に暗く潰れ過ぎる個所が出ないように調整しましょう。

先ほども書きましたが、この段階でリアルな「粘土っぽいスプーン」になっていればOKです。

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②シェーダ「mia_material_x」


それでは、いよいよ質感の設定に入ります。

と言ってもステンレスの鏡面なので手順は簡単です。


ハイパーシェードを開いて「mia_material_x」シェーダを作成します。
(ウィンドウ > レンダリングエディタ > ハイパーシェード)

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作成したシェーダのアトリビュートを調整します
・拡散のカラー:黒
・反射率:1.000


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それではシェーダをスプーンに割り当て、一度レンダリングしてみましょう。

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反射率を最大値の1に設定しましたが鏡のような映り込みはなく、スプーンは真っ黒になりましたね。

なぜならこのシーンにはスプーンと地面しかなく、どれだけ反射率を上げても周囲に映り込むオブジェクトが存在しないのです。

当然ながら真っ黒な世界が映り込む結果になっています。


スプーンに映る白いハイライトは設置したライトによるもので、ハイライトの位置などが気に入らなければこのタイミングでライトを移動させてハイライトを調整しても良いでしょう。

ライトを動かす場合は、メインのライトを移動してしまうと手順①で設定したライティングイメージが大きく変わってしまう点に注意してください。



③環境マップ「mib_lookup_shperical」


最後に「環境マップ」の設定を行います。

環境マップとは、鏡面に映り込む周囲環境を再現する手法のことで、これを設定することによって一気に鏡面らしい見た目になります。

シーン内に存在しないはずの周囲の環境を、疑似的に作ってくれるということですね。


ハイパーシェードの「シェーディンググループ」タブの中から、先ほど作成したシェーダのSGを選択してアトリビュートを表示します。

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「環境シェーダ」の項目の右にあるアイコンを選択すると「レンダーノードの作成」ウインドウが開くので、その中から「mib_lookup_shperical」を選択します。

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すると「mib_lookup_shperical」のアトリビュートが開くので「テクスチャ」の右にあるアイコンを選択します。

次の画面で「イメージの名前」の右にあるフォルダアイコンを選択し、環境マップに使用するテクスチャを選択します。

このテクスチャは何でも構いませんが、映り込んで不自然ではないものの方が良いですね。
(明るい部屋の映り込みが「街の夜景」だと変です。。。)

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以上でスプーンの質感設定は完了です!

レンダリングして結果を確認してみましょう。



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選択する環境マップのテクスチャによってもレンダリング結果が大きく変わってくるので、テクスチャを変更しながらイメージに合ったものを探してみるのも良いと思います。

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